「近所のBさんは幼稚園に高級外車で送り迎えしているんです。正直なところ、うらやましいです」と告白した40代のAさん。自動車は持っていないものの、すでに住宅ローンも完済し、貯蓄も3000万円以上お持ちです。あなたならAさんとBさんのどちらのことがうらやましいでしょうか。

高級外車でも買えるのに買わないAさん

40代で住宅ローンを完済し、さらに3000万円以上も貯めたAさん。毎年、車を一台買えるレベルのお金を貯めています。

すでに貯蓄が3000万円あれば、すぐにでも高級外車を買えるはず。うらやましいなら「買わないのですか?」と聞くと「買わない」と答えます。Aさんにとって高級外車は必要のないもののようです。ところが、派手な生活ぶりのBさん一家を見ていると、うらやましくなるのが本音なのだとか。そこで出てきたのが「Bさんは上手にやりくりしているのでしょう?どうして自分は上手く管理できないのだろう」という言葉です。

ローンを重ねて高い生活レベルを維持するBさん

話題のBさんは普通のサラリーマン家庭のようで、すごく所得が高い家庭というわけでなさそうです。これまで数多くの家計の見直しを行ってきた経験から見ると、オートローンを組んでBMWを購入している可能性が高そうです。恐らく住宅ローンの返済もしているでしょう。そこに子供が大きくなると教育費の支払いが重なっていきます。家計のやりくりに苦労しながら、なんとか維持している生活レベルと見るのが妥当でしょう。

となりの芝は青く見えるが…

私から見るとAさんの方がとても素晴らしい家計に見えます。Aさんの場合、BMWを買えないわけではありません。買わいないだけです。それなのに、Bさんがとても上手に家計をやりくりしている、うらやましいと感じてしまうのはどうしてなのでしょうか。

Aさんのようにとなりの家計が青く見えてしまう人はたくさんいます。こういうタイプの人たちは「ほかの人はどうやっているのだろう?」と疑問に思うようです。

個々の家計を管理する立場から見ると、となりの家計がどうなのかを知ってもあまり役に立ちません。それどころか「有害」と言ってもいいかもしれません。

そもそも、人によって目指していることが違います。ある人は家を買いたいと思ってがんばっているでしょう。ある人は子どもを3人欲しいと思っているかも。一方で車があれば幸せという人もいるでしょう。目指すものが違えば、家計も違ってくるのは当たり前です。

そして、実現する上で前提となる環境も違います。生まれた環境、収入の環境などです。たとえ目指す目標が同じでも、自分が置かれている環境が違えば取るべき戦術も変わってくるのも当たり前です。

よそはよそ。うちはうち

どうしても派手な生活をしている人は目立ちますので、気になるものです。そういうときは、昔よく聞いた「よそはよそ。うちはうち」という言葉を思い出しましょう。

となりの子が塾に通い始めた。我が家も塾に行かせよう。友人は高級外車に乗っている人ばかりで、国産車では恥ずかしい。こうした周囲を気にする行動が少なくなれば、あなたの家計管理も一歩高いレベルに到達したと言えるでしょう。

しっかりと資産形成できており、家計管理の技術も身に着けているAさんは、多くの人生の選択肢の中から選ぶことができる立場です。Aさん一家にとってどういう状態になることが幸せなのでしょうか。家族のそしてAさん自身が目指す幸せの姿が明確にできれば、他人の家族を見てうらやましいと感じることは無くなっていくでしょう。